浜田市世界こども美術館
島根県浜田市にある浜田市世界こども美術館へ。

今回訪れたのは、企画展「さわっ手たのしむ タッチミュージアムⅡ ~森と海~」。
普通、美術館では「作品には触らない」が基本。
ところが、ここでは、
見る。触る。動かす。遊ぶ。つくる。
作品を鑑賞するだけではなく、自分から作品の中へ入っていくような展示になっていた。
今回興味を持ったのは、
「どうすれば子どもが自分からアートに関わりたくなるのか」
という体験のデザインだった。
ー「説明」より先に、手が動く。ー
展示のテーマは、浜田の自然をイメージした「森と海」。

触れたり、動かしたり、試したりできる作品が並ぶ。
「これ、どうなるんだろう。」
と思ったら、まず触ってみる。
動いたら、もう一度やってみる。
すると、
「なぜ動いたんだろう?」
という疑問が生まれる。
つまり、
説明 → 理解 → 体験
ではなく、
興味 → 体験 → 疑問 → 理解
という順番。
最初から答えを教えるのではなく、まず「やってみたい」をつくっている。



ー参加すると、美術館が変わっていく。ー
「海」の展示では、海の生きものを描き、壁へ加えていく参加型の仕掛けもあった。
来館者が増えるほど、空間そのものが変化していく。
最初から完成している展示ではなく、
参加することで作品が完成していく。
自分が描いたものが展示の一部になると、「作品を見る人」から「作品をつくる人」へ立場も変わる。
これも、見るだけの美術館とは違う面白さだった。


ー「見る」から「やってみる」へ。ー
今回、一番印象に残ったのは、
人は、見たもの以上に、自分がやったことを覚えている。
ということ。
触った。
動かした。
描いた。
失敗した。
もう一度やった。
そこに自分自身の行動が加わることで、「美術館で見たもの」から「美術館で体験したこと」へ変わっていく。

ーデザイン視点で感じたことー
人に何かを伝えたいとき、
「見てください」と言うのではなく、見たくなる。
「触ってください」ではなく、触りたくなる。
「つくってください」ではなく、つくりたくなる。
その「〜したくなる」を設計することも、デザインなのだと思う。
見る → 触る → 気づく → つくる。
浜田市世界こども美術館は、作品を展示するだけではなく、
子どもの「やってみたい」をデザインする美術館
だった。

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